「両手取引」とは、一つの不動産屋が、買主と売主の両方を自社で見つけ、両方から手数料をもらうことです。売上が二倍となるので、多くの不動産屋がこれを目指します。
しかし契約交渉では両方の味方を出来ない場面は多く、それでもおいしい契約を成立させるために、不動産屋が売主/買主の両方に対して、不誠実となる動機になります(売主を値下げに誘導、買主に物件リスクを告げない、等)。
「囲い込み」とは、両手取引を行うために、不動産屋が他の不動産屋からの問い合わせに、嘘をついて断わったり、牛歩戦術を取ることです。
例えば、業者専用サイト(レインズ)に売出し広告を載せて、売主には広く募集している証拠を見せるものの、実際には、他の不動産屋からの問い合わせに、何かと理由をつけて断るなどして、両手取引ができる買主を見つけるまで時間を稼ぐことです。
上記は売買の例ですが、オフィス/店舗賃貸でも同様です。なお、このような利益相反の性質から、米国では基本的に不動産の両手取引は違法とされています。